赤崎デザインビューロ | Akasaki Design Bureau

葛西洋介　さま

　お忙しい中レビューを投稿してくださりありがとうございます。
然のプロジェクトは本当にお施主さん、施工業者さんに恵まれたプロジェクトでした。

　葛西さんの町家への想いや設計に対する希望を述べられるところはしっかりと述べられる一方で、設計者に任せるところはしっかり任せる。そうしたスタンスのおかげで本当に良い仕事をさせていただいたと思っております。

　私自身、然のプロジェクトがはじめての宿の設計でしたが、宿泊客の方の中には通常では考えられない建物の使い方をされる方もいらっしゃり、信じられない箇所が破損していたりするのですが、それらをメンテナンスの際に拝見させていただくことで、その後の私の設計に大いに役立たせていただいております。また何より、私自身、建築にとって竣工 ( 完成 )はゴールではなく、スタート地点だと考えておりますので、その建築の成長する過程に関与させていただけていることを嬉しく思っております。

　田中哲夫　さま

　お忙しい中、レビューに投稿いただきましてありがとうございます。

京都のみならず、今日、全国的に問題となっている「空き家問題」に取り組んでおられることから、「空き家活用のモデルケースとしたい」という当プロジェクトのテーマを伺い私自身、身の引き締まる思いで設計に携わらせていただきました。

　間口3m、奥行き12mという正しく「うなぎの寝床」を絵に描いたような建物でしたが、その建物の一部を解体して中庭をつくることで、お風呂を離れにするという不便にわなるけれど、その分旅情をかきたてられる。「不便さゆえの豊かさ」という私が設計の中で取り組んでいるテーマの１つを提案させていただきましたが、それを快諾していただきました。

　主人や職人の遊び心と創意をもって客人をもてなす古の数奇屋に見られる精神を大切にしておられることから、銅板で編んだ網代天井や真鍮の特注プレートなど、色々な提案を実現させていただきました。

　建築は私どもにとっては一つの作品ですが、多くの人に利用していただき、楽しんでいただいてはじめて活きるものと考えており、多くの宿泊客の方に楽しんでいただいていること。そして、そうした仕事に携わらせていただけたことに感謝しております。