剛接合さんのアイデアブック
独自のスタイル モダン建築の幕開けとなった1920年代から30年代にかけて、台頭したインターナショナルスタイルは、軽さのあるでオープンな建築を目指した。だがカーンはこのスタイルを避け、独自の新しいモダン建築のスタイルを創出した。重い建築を目指し、シンボリックでモニュメンタルなものを建築に取り戻したいと考えたのだ。 「カーンは多くの面で型破りな建築家でした。同時代のモダニズム建築家たちとは一線を画した作品をつくりました。モダニズム建築には別の道もある、ということを私たちに示してみせたのです」とニュートン氏は話す。「彼の建築は、間違いなくモダン建築です。しかし、原初的でスピリチュアルな建築でもあります。」
ソーク研究所 (カリフォルニア州、1959-65 ) ポリオのワクチンを発見した著名な科学者ジョナス・ソーク(1914-95)がカリフォルニア州ラホーヤに研究所を新設することとなり、もっともふさわしい建築家として推薦されたのがカーンだった。ピカソがつくるような建築を、という要請のもと、カーンは科学研究という創造の場にふさわしい機能的で美しい建築をつくりだす。ソーク研究所は建築史に残る傑作となった。
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