こぢこぢ一級建築士事務所
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+Outdoor Living

Kさんが生まれ育ったご実家の土地の一角に、Kさん家族が住む家」と「ご両親が使う農業用倉庫」を建てる計画です。Kさん世帯(子世帯)と親世帯が心地よく暮らすために4つのことを考えました。

1)ちょうどいい距離感を保つ

子世帯の敷地は親世帯の広い敷地から自由に切り取ることができたので、ご実家の母屋や周辺環境とのちょうどいい距離感を模索しました。Kさんの住宅は、南側に「ちょうどいいサイズの庭」を確保できる配置とし、母屋との間に背丈程の木柵を設けることでお互いのプライバシーを確保しました。

道路沿いには高さ1.8〜2.1mの大谷石の塀があり、道ゆく人に対するプライバシーも確保できていました。

2)次世代への継承

ところが、大谷石がかなり劣化していたので、塀を新たに造り替えることにしました。Kさん、お子さん、更にその先の代への継承を踏まえ、長寿命のRC造(鉄筋コンクリート造)が望まれました。人の背よりも高い塀は、道ゆく人たちに圧迫感を与えますが、RC打放し仕上げとなると無機質で冷たい印象もプラスされてしまいます。そこで、長大な塀を少しでも柔らかな表情にするため、杉板の木目をコンクリートに転写させる「杉転写RC塀」としました。木のアクによる黄色味や木目の有機的な凹凸感により、塀全体の圧迫感が少し和らいでいるように思います。

また、道路境界線から塀を20〜30cmセットバックすることにより、道路に視覚的な広がりをつくりました。セットバックした敷地には下草を植え、より柔らかな印象となるよう配慮しました。

次世代に継承していくものは、権利や資産、機能性だけではなく、長い時間をかけて積み上げてきた地域住民との信頼関係こそ、何よりも大切なものだと考えました。

3)Outdoor Livingのある暮らし

Kさん夫妻から受け取ったイメージシート(こぢこぢから依頼したWORKの成果物)を見ると、庭の植栽を望む縁側の写真やプライバシーが保たれたデッキで食事を楽しむ写真、軒下空間で子供が遊んでいる写真等がありました。降り注ぐ陽光の下でアウトドアライフを満喫するというよりは、「暮らしの延長にある外空間」を日常的に使い倒したい、といった印象を受けました。

そこで、屋根と3方の壁に囲まれ、プライバシーの保たれた半外空間=Outdoor Livingをつくることにしました。気の向くままにOutdoor Livingへ出て、移ろう自然を感じながら、家族やジジ・ババとの親密な時間を楽しむKさん達の姿が目に浮かびます。

4)吹抜けを中心に繋がる一体空間

ダイニングの吹抜けを中心に、リビング・キッチン・庭、2階の子供室・寝室・デスクコーナーが繋がります。家の中のどこにいても家族の気配を感じることができる一体空間は、まるで巨大なワンルーム。あらゆる方向に視線が抜けることで、実際の床面積よりも広く伸びやかな空間に感じることでしょう。

また、1階LDKの窓と階段上部のハイサイド窓を開ければ、家の中に心地のいい風が流れてきます。温かい空気が下から上へ移動する原理を利用して、空気の流れ=風をつくり出します。
Project Year: 2023
Project Cost: JPY 30,000,001 - JPY 50,000,000